巨大地震発生時における遮断型最終処分場の構造安定性評価

書誌事項

タイトル別名
  • Structural Stability Evaluation of Isolation-type Waste Landfills during a Large Earthquake

抄録

鉄筋コンクリートを主体とする遮断型処分場は,1998 (平成 10) 年度の構造基準の改定により部材厚さが 150 mm から 350 mm に変化している。わが国に存在しうる基準改定前と後の遮断型処分場に着目し,地盤条件や埋立条件が有害物質の漏洩源となるひび割れ幅に与える影響を調べた。健全な強度が保たれていればひび割れ幅は 0.5 mm 未満であり,最も過酷な条件を想定した湛水時における地震時のひび割れ幅が最も大きくなった。部材ごとにひび割れ幅を比較すると,側壁や下部床版は地盤条件や埋立条件によって左右されやすいのに対し,上部床版ではこれらの因子に影響されることはなく,部材厚さや強度特性によってひび割れ幅は決まることがわかった。このことは,本解析手法が雨水浸透の抑制や地震荷重による負荷の軽減,埋立廃棄物中の化学物質の流出防止等の安全性向上の要求に対して,周辺地盤条件を鑑み各部材の設計条件をより精緻なものにするための,有効な手段であることを示している。

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参考文献 (2)*注記

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