Dīpaṃkaraśrījñānaによる<i>Gaṇapatisādhana</i>について

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タイトル別名
  • On the <i>Gaṇapatisādhana</i>s of Dīpaṃkaraśrījñāna
  • On the Ganapatisadhanas of Dipamkarasrijnana

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抄録

<p> Dīpaṃkaraśrījñānaは30を超える成就法を著しており,その観想対象となる尊格にはヒンディーの神々も見られる.Gaṇapatiはその一人であり,彼は2つのGaṇapati成就法を著している.すなわち,Śrīgaṇapatiśāntisādhana(P. no. 4986)とGaṇapatiguhyasādhana(P. no. 4990)である.また,Gaṇapatiの別名であるVighnarājaの成就法であるSunipuṇamahādevavighnarājasādhana(P. no. 4981)とGaṇapatiに対する讃歌であるGaṇapatirāgavajrasamayastotra(D. no. 3739, P. no. 4561)もあり,彼によるGaṇapati関係の著作は4書となる.さらに,彼には他の著者によるGaṇapati文献の翻訳が4書ある.著作のうち,第二の成就法は彼が翻訳したAmoghavajraの同名成就法とほぼ同じ内容であり,最後の讃歌は,図像的特徴が書き換えられて,最初の成就法に引用されている.ただし,彼の他の著作にはGaṇapatiに対する言及を見ることはできない.</p><p> このうち,著作において描写されるGaṇapatiの図像的特徴を比較すると,最初のGaṇapati成就法では,白い身体・象頭・四手・鼠座で描かれており,チベットに伝わる彼の伝承と一致する.しかしながら,第二Gaṇapati成就法では,赤い身体・猿頭・四手で描かれており,上述のAmoghavajraの伝承と一致する.また,Vighnarājaの成就法では,赤い身体・四面三眼・十二手で描かれており,Abhayākaraguptaが編集したSādhanamālāに収録されるGaṇapati成就法の伝承に類似している.同じ著者が異なる図像的特徴を著したことは,彼が確定した図像的特徴を持っていなかったことと,異なる伝承をチベットに伝えようとしたことを意味している.</p>

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参考文献 (2)*注記

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