<i>Hetvābhāsa</i> Theory of Bhāṭṭa Mīmāṃsā in Bhaṭṭajayanta’s <i>Nyāyamañjarī</i>

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  • ジャヤンタの言及するバッタ派の疑似的理由論
  • Hetvabhasa Theory of Bhatta Mimamsa in Bhattajayanta's Nyayamanjari

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<p> ニヤーヤ学派のバッタジャヤンタ(ca. 9-10c)はNyāyamañjarī第11日課において他学派の疑似的理由(hetvābhāsa)論を批判する.本稿は,同書にみられる「成立していない理由」(asiddha)の分類に着目し,その特徴や帰属先を検討するものである.特に「無知によって成立していない理由」(ajñānāsiddha)を取り上げ,ミーマーンサー学派バッタ派の注釈文献やチャクラダラのNyāyamañjarī注を用いて,同誤謬の位置付けを考察する.すなわち,ジャヤンタに批判的に言及される,無知(ajñāna),疑惑(sandeha),錯誤(viparyaya)に基づく「成立していない理由」の分類は,〈無知〉を含む点でクマーリラのŚlokavārttikaに対応する.ただし,両者いずれも〈無知〉に関する定義的説明や例示を欠く.スチャリタミシュラなどのバッタ派の論師は,これを「意味がよく知られていない語の使用」(aprasiddhārthapadaprayoga)の場合における誤謬として,意味論・語用論的な側面でとらえた.また,バッタ派における同解釈の正統性を補強するものとして,チャクラダラのNyāyamañjarī注に「語の不成立」(padāsiddha)に関する複数の詩節がBhaṭṭaという名称とともに引用されていることを示した.このBhaṭṭa詩節はNyāyamañjarī注の校訂者N. J. Shahによればクマーリラの散逸した著作Bṛhaṭṭīkāの断片である可能性がある.本稿においても,〈無知〉に関してあまり注意を払わないŚlokavārttikaと出処不明のスチャリタミシュラ解釈を架橋するものとして,Bhaṭṭa詩節が位置付けられうることを指摘した.最後に,後代のニヤーヤ学派及びバッタ派の論師による「無知によって成立していない理由」理解を検証し,意味論・語用論的解釈から認識論的解釈へと遷移している可能性を示した.この点については,〈無知〉等に基づく誤謬に言及する文献を精査し,議論学における関連概念との比較を通じて概念的変遷をより丁寧に追う必要があろう.</p>

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