LA-ICPMSを用いた宮崎平野津波堆積物中のジルコンのU–Pb年代測定

  • 渡邊 隆広
    日本原子力研究開発機構東濃地科学センター
  • 鏡味 沙耶
    日本原子力研究開発機構東濃地科学センター
  • 横山 立憲
    日本原子力研究開発機構東濃地科学センター
  • 丹羽 正和
    日本原子力研究開発機構東濃地科学センター

書誌事項

タイトル別名
  • LA-ICPMS U–Pb Dating of Zircon in Paleotsunami Deposits from Miyazaki Plain, Southwest Japan

この論文をさがす

抄録

<p> 1662年寛文日向灘地震による宮崎平野の津波堆積物の特徴を把握するため,日本原子力研究開発機構 東濃地科学センターのレーザーアブレーション付き誘導結合プラズマ質量分析装置(LA-ICPMS)を用いて津波堆積物中の砕屑性ジルコンのU–Pb年代測定を実施した。本研究では,試料の化学的前処理手法としてchemical abrasion法を適用させ,U–Pb年代測定に必要な粒子径約50 μm以上のジルコン粒子25点を回収した。LA-ICPMS測定の結果,津波堆積物中の砕屑性ジルコンのU–Pb年代の範囲は約14 Maから約2405 Maであり,特に100 Maと2000 Ma付近の年代値を示すジルコン粒子が多く見られた。今後,測定実績をさらに蓄積していくことが重要であるが,本研究で得られた100 Ma付近の年代値を示す津波堆積物中のジルコン粒子は白亜紀から古第三紀に相当する四万十層群に由来する可能性が考えられる。また,1662年寛文日向灘地震による津波堆積物中の砕屑性ジルコンのU–Pb年代の分布は,九州中央部の前弧砂岩から得られている結果と類似していることが示された。</p>

収録刊行物

  • 地学雑誌

    地学雑誌 132 (4), 353-361, 2023-08-25

    公益社団法人 東京地学協会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ