低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法後に診断された中腸軸捻転

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  • Midgut volvulus diagnosed after therapeutic hypothermia for hypoxic-ischemic encephalopathy

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抄録

<p> 中腸軸捻転は胆汁性嘔吐を契機に診断されることが多いが,低酸素性虚血性脳症(HIE:hypoxic-ischemic encephalopathy)との合併は稀である.今回胆汁性嘔吐を示さず,HIEに対する低体温療法後に診断された中腸軸捻転を経験した.症例は在胎40週2日,3,202gで出生した日齢0の女児.アプガースコアは1分1点/5分3点であった.中等症HIEに対し低体温療法を行った.低体温中の頻脈,鎮静終了後の胃残渣の増加などがみられた.日齢5に血便があり腹部超音波検査で中腸軸捻転と診断した.広範囲の腸管血流障害があったが,捻転解除後に改善し腸管切除を免れた.HIEと中腸軸捻転の合併では,低体温療法管理中の鎮静・栄養管理の影響により,中腸軸捻転の症状が目立たず診断が遅れ,予後が悪化する可能性がある.微細な徴候に注目し,腹部超音波検査等による積極的な検索が重要である.</p>

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