関東支部の多様な調理法と家庭料理の伝承調査
書誌事項
- タイトル別名
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- Survey on various cooking methods and traditions of home cooking in the JSCS Kanto Branch
- Branch survey: Outsourcing the cooking of main dishes
- —支部調査:主菜的料理の家庭内調理における外部化について—
説明
<p>【目的】特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」の一環として,家庭内調理の外部化の現状を具体的に把握することを目的として調査・分析を行った。</p><p>【方法】関東地区の栄養士・管理栄養士養成課程および食物系の課程に在籍する学生1,616名とその家庭での主な調理担当者(以降,家庭)を対象に,日本の家庭でよく食べられている主菜的料理15品を選定し,食べ方・作り方についてWeb調査を行った。調査期間は2022年12月~2023年2月,有効回答数は学生291名(有効回答率18.0%),家庭157名(9.7%)であった。学生の居住形態は77%が実家暮らし,15%が1人暮らしだった。</p><p>【結果】学生・家庭共に喫食・調理頻度が高いものは,卵焼き,カレー,しょうが焼き,ハンバーグ,ぎょうざだった。鶏のから揚げは,家庭では喫食・調理頻度が共に高かったが,学生では喫食頻度は高いものの調理頻度はそれほど高くなかった。学生・家庭共に魚料理(煮魚,ソテー,照り焼き)の喫食頻度は低く,コロッケやとんかつなどの揚げ物は調理頻度が低かった。また,学生の冷凍食品の利用はぎょうざ,コロッケ,鶏のから揚げが,総菜の利用はコロッケが多く,これらの料理で外部化が進んでいる傾向がみられた。</p><p> 調理頻度の比較的高い料理における使用食材の傾向では,ショウガ・ニンニクについては,学生は家庭よりも鶏のから揚げでチューブ入りの使用頻度が高く,自分ですりおろしたものの使用頻度はぎょうざ,しょうが焼き,鶏のから揚げで低かった。自分で取っただしを卵焼きに使う者,餃子の皮を手作りする者の割合は家庭よりも学生で多く,学生の食材選定や作り方に調理学実習の学びが影響している可能性が考えられた。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 34 (0), 166-, 2023
日本調理科学会