九州支部の多様な調理法と家庭料理の伝承調査
書誌事項
- タイトル別名
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- Survey on various cooking methods and traditions of home cooking in the JSCS Kyushu Branch
- Focusing on side dishes
- —副菜を中心に—
抄録
<p>【目的】日本調理科学会特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」に関するWEB調査より,九州支部の結果から主に副菜に着目し分析することを目的とした。</p><p>【方法】2022年10月~2023年2月に九州支部8県の大学に在籍する2,127人を対象にWEB調査を行った。有効回答数は1,075(回収率50.5%)で あった。本報では副菜(Q14 青菜のごま和え~Q21お茶)を中心にその調理方法,喫食状況,調理器具類の使用状況等について単純集計およびクロス集計<専攻2群(食物系専攻×食物系以外専攻)と調理担当者2群(自分×自分以外)>を行った。統計処理には,SPSS Ver.27.0を使用した。 </p><p>【結果】単純集計の結果,副菜7品の中で,主に家庭で作ると回答した割合が最も高かったのは,「味噌汁」 81.0%で,そのうちだしの取り方では,風味調味料の利用43.5%と最も高かった。「青菜のごま和え」は,主に家で作る59.4%,和え衣はすりごま57.7%,ごまはすらない49.1%と最も高かった。「煮豆」は主に家で作る17.9%と最も低く,ほとんど食べないは43.5%と最も高かった。「茶わん蒸し」は,専攻別,調理担当者別の解析でも,調理済み品を購入したり外食すると回答した割合が 約30%と高かった。「蒸し器」を今住んでいる家で使っている自宅生は30.4%,自宅外生4.7%,一方,「電子レンジの使い方」として14.1%が茶わん蒸しを作ると回答しており,蒸し器を使わない作り方も一般的に普及し始めていると推察される。以上の結果より,「家庭料理」の伝承のためには,調理教育として,蒸し器やすり鉢等の調理器具の使い方も教授すると同時に,電子レンジを活用した簡便な調理法にも触れていく必要があると考えられた。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 34 (0), 189-, 2023
日本調理科学会