中国・四国支部の多様な調理法と家庭料理の伝承に関する実験

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タイトル別名
  • Experiments on various cooking methods and traditions of home cooking in the JSCS Chugoku-Shikoku Branch
  • Validation of a simple method for ascorbic acid measurement in vegetables using RQFlex for hot-water washing and low-temperature steaming cookery research
  • —湯洗浄および低温蒸し調理を視野に入れたRQFlexによる野菜中アスコルビン酸簡易測定の検証—

抄録

<p>【目的】野菜の湯洗浄,低温蒸し調理は,湯洗浄による酵素活性の変化,破断力の増加,低温蒸しによる水溶成分の溶出抑制,さらに,加熱によるL-アスコルビン酸(ビタミンC,以下AsA)の酸化を抑え,AsA残存率が高いことが期待できる調理法と推察される。本研究は,湯洗浄,低温蒸し調理に関する研究に当たり,このような野菜中のAsA残存率分析方法として,食品分野での活用事例が少ないが,前処理が簡便である小型反射式光度計(RQFlex)によるAsA簡易分析方法の精度検証を研究目的とした。</p><p>【方法】本法は,試験紙とその発色を測定する反射式光度計(RQFlex20,メルク)がセットになったものである。精度検証のため,(1)標準品による検量線作成,(2)野菜抽出液中のAsAをHPLC測定値と比較した。検量線はAsA標準品25,50,100,200,300 mg/Lを本法で測定して作成した(n=2)。さらに生の赤ピーマンおよびほうれん草(各n=3)を5%メタリン酸で抽出し,4段階希釈した溶液を本法と「八訂日本食品標準成分表分析マニュアル」HPLC法により測定し,得られたAsA測定値を比較した。</p><p>【結果】AsA標準品による検量線は良好な相関係数(r=0.997)を示した。さらに野菜中のAsAについて,HPLC法による測定結果と比較した結果,回帰式による補正は必要であるが,本法によるAsAの測定値はHPLC法と高い相関係数(r=0.982)が得られ,その有用性が示された。今後は本法により,HPLCのような分析機器がなくても食品中AsA分析が可能となることから,蒸し温度や洗浄水温が野菜中AsA残存率へ与える影響について明らかにすることが期待できる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860377325876224
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_192
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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