地域発展における「村への権利」

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タイトル別名
  • サント・スザンヌ村(仏)の事例

抄録

我が国では地方の衰退が長年にわたる社会問題として認識されているが、一方フランスでは小規模自治体の再活性化の兆しがみられる。その現象を説明するために近年注目されているのが、フランスの思想家アンリ・ルフェーヴルが1968年に唱えた概念「都市への権利」を、田舎の領域に応用した「村への権利」である。既存の研究においては小規模自治体の持ついくつかの特徴が、「居住する事」、「出会う事」、「作品」、「占有」という4つの領域から構成されるルフェーヴルの主張する権利の獲得を容易にし、今日の地域発展の原動力となっている可能性が指摘されている。しかしながら、それらの権利がどのようなダイナミクスに基づいて地域発展を引き起こしているのかは、これまで具体的な形で示されてこなかった。そこで本稿では、フランス・マイエンヌ県に位置するサント・スザンヌ村で実施されたインタビュー調査を通じ、「村への権利」がどのように住民の生活を豊かにする公共アクションと関連しているのかについて考察する。そしてこれらの議論はこれまでの日本であまり陽の目を見ることの無かった、ボトムアップ型の地域発展アプローチの可能性を示唆することになる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860377330449536
  • DOI
    10.32233/sfjg.40.0_1
  • ISSN
    24345601
    09151206
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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