多層膜回折格子の放射光への応用

DOI
  • 小池 雅人
    独立行政法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター
  • 今園 孝志
    独立行政法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター
  • 石野 雅彦
    独立行政法人日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Applications of Multilayered Gratings to Synchrotron Light Sources
  • —New Horizon of Diffraction Grating Monochromators in the keV Region—
  • ―keV領域回折格子分光器ビームラインにおける新展開―

抄録

<p>高輝度放射光やXFELなどの軟X線レーザー光を利用した先端的な物性研究を推進するうえで,1~8 keV領域に現れる軽元素の吸収・発光・蛍光分析に適した高効率軟X線回折格子分光器の開発が必要とされている.そこで著者らは,従来金等の表面物質の反射率の低下のため2 keV程度までに限られていた回折格子分光器のエネルギー領域の上限を打破すべく,1~8 keVの領域で高効率をもつ軟X線多層膜ラミナー型回折格子の開発を行ってきた.本論文では,1~2 keVにおける高刻線密度(7600本/mm)Mo/SiO2多層膜回折格子,2~4 keVにおける定入射角分光器用広帯域W/B4C多層膜回折格子,4~8 keVにおいて従来にない高回折効率をもつCo/SiO2多層膜回折格子の設計,製作,及び評価について述べる.さらに,広帯域W/B4C多層膜回折格子を想定したシミュレーション計算の結果,2~4 keVをカバーする単色計(モノクロメータ)への応用に適した176°の定偏角条件において,従来の金単層膜の回折格子の場合に比較し,2.03 keVでの1.6倍から,3.75 keVでの12.8倍までの高い回折効率を得た.この特性は,現在東北地方で建設が検討されている新放射光源における軟X線分光ビームラインへの応用に適している.</p>

収録刊行物

  • X線分析の進歩

    X線分析の進歩 46 (0), 159-166, 2015-03-31

    公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860387810254080
  • DOI
    10.57415/xshinpo.46.0_159
  • ISSN
    27583651
    09117806
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ