室内空気質と化学物質

DOI
  • 金 勲
    国立保健医療科学院生活環境研究部
  • 下ノ薗 慧
    国立保健医療科学院生活環境研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Indoor air quality and chemical substances

抄録

<p>厚生労働省の室内空気中化学物質の室内濃度指針値(厚生労働省指針値)(1997~2002)と改正建築基準法(2003)が施行されてから20年が経過し,室内空気質には多くの改善が見られた.また,厚生労働省指針値は2019年4月に既存3物質の濃度指針が改正・強化された.一方で,規制物質を避けるために代替物質に移行する問題は今後も継続的に対処すべき課題である.</p><p>今後も議論の対象となる化学物質として考えられるものは,2E1H(2-Ethyl-l-hexanol),Texanol (2,2,4-Trimethyl-1,3-pentanediol monoisobutyrate),TXIB(2,2,4-Trimethylpentane-1,3-diyl diisobutyrate),天然木材成分であるピネン(Pinene)やリモネン(Limonene)のようなテルペン(Terpene)類,可塑剤・難燃剤成分,防虫剤・殺虫剤,芳香剤・消臭剤や洗剤に含まれる香り成分などが挙げられる.</p><p>現代社会で化学物質と接しない生活は不可能である.化学物質だから全てが有害という訳ではなく,なるべく低い濃度にする努力をしながら合理的に対処し,賢く付き合うことが重要である.</p>

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 72 (3), 233-241, 2023-08-31

    国立保健医療科学院

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860476536991872
  • DOI
    10.20683/jniph.72.3_233
  • ISSN
    24320722
    13476459
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ