軽微な外傷後に急速に尿閉を来した超高齢者の腰椎黄色靱帯石灰化症の1例

DOI
  • 松本 洋明
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 松本 淳志
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 宮田 至朗
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 友金 祐介
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 南 浩昭
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 増田 敦
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 山浦 生也
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 吉田 泰久
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経外科
  • 平田 温
    榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 脳神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • A very elderly patient with calcification of the ligamentum flavum in the lumbar spine showing progressive urinary retention after mild trauma

抄録

<p> 黄色靱帯石灰化症による腰部脊柱管狭窄症は比較的稀な疾患である.今回我々は,転倒して臀部を打撲した後に,急速に尿閉を来し,減圧手術により改善した腰椎黄色靱帯石灰化症の1例を経験したので報告する.症例は,90歳男性.脳梗塞後のリハビリテーション目的で当院に入院加療中であった.早朝にベッドサイドで転倒し臀部を打撲した.臀部打撲痛の訴えがあったが,下肢感覚障害の出現や下肢筋力の低下はなかった.同日午後になり,強い腹痛を訴え,精査で尿閉による膀胱拡大を認めた.尿閉の原因精査で,L4/5レベルでの黄色靱帯石灰化症による馬尾神経障害が考えられた.薬物療法を行ったが,改善しなかったため後方除圧を行った.術後3日で尿意と自尿が認められるようになり,1週間後には,尿閉は完全に改善した.高度の腰部脊柱管狭窄症を有する患者においては,外傷により馬尾症候群を呈する可能性があるが,本症例のように尿閉のみを呈することは稀と思われる.超高齢者であっても腰部脊柱管狭窄症は手術により改善する可能性があるため,全身状態が安定していれば積極的に外科的治療を行うことも選択肢の一つと思われた.</p>

収録刊行物

  • NEUROSURGICAL EMERGENCY

    NEUROSURGICAL EMERGENCY 28 (1), 40-45, 2023

    特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860476537003520
  • DOI
    10.24723/jsne.28.1_40
  • ISSN
    24340561
    13426214
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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