クロム廃液の検出を目的としたEu doped Gd₂O₃基板作製と蛍光特性

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タイトル別名
  • Fabrication and Fluorescence Characterization of Europium Doped Gadolinium (Ⅲ) Oxide Substrate for the Detection of Chromium Contained Waste-water

抄録

クロムは金属材料の原料やメッキ処理の原料として様々な産業分野で利用されている.一般に3価クロムは比較的安全性が高い一方で,6価クロムは非常に強い酸化力を持ち強い毒性を持つことから,メッキ処理で排出された廃液の処理は還元剤によって3価クロムへ変換し無害化されている.しかし,実際の6価クロムの廃液処理では,適正な処理を行う設備や管理の必要性が生じることから専門業者に委託する場合が多く,また廃液の量で処理費用が決定されるためコストの増加が問題となっている.低コストかつ高効率に処理を委託するには,可能な限りクロム濃度を高めた廃液とする必要があり,この濃度を把握する技術が望まれている.そこで,我々はEuで置換された蛍光材料に注目した.先行研究ではEu doped Gd2O3のナノ粒子を磁気共鳴画像診断用の造影剤として利用する研究が進められ,他方では,希薄な3価のクロム含有水溶液濃度に対する蛍光強度の追従特性に関する報告が寄せられている.この知見を利用して,還元後の3価クロム廃液の濃度を測定するための機能性蛍光薄膜を作製し,蛍光分光測定により濃度判定が実現できれば処理費用の抑制と高効率な廃液処理を可能にする検出技術が確立できるかもしれない. しかしながら,これまでEu doped Gd2O3薄膜の蛍光特性の評価に関する報告は殆ど寄せられていない.そこで今回は,ミスト化学気相成長(Chemical Vapor Deposition, CVD) 法を用いて Eu doped Gd2O3薄膜を石英基板上に作製し,蛍光特性の評価を行った.作製された基板は多結晶構造を有し,高い平坦性と Eu 仕込み量に追従した蛍光強度の変化が確認された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860609162797824
  • DOI
    10.12792/iiae2023.021
  • ISSN
    2424211X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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