カナダに移住した日本人女性の適応プロセス:支援ネットワークおよびコミュニティとの関係に焦点をあてて

書誌事項

タイトル別名
  • The adaptation process of Japanese women who immigrated to Canada:Utilization and influence of administrative support and relationship with the community

説明

日本において今後の在留外国人への支援のあり方を検討する場合、先進的なカナダの事例を知り、日本で の適用可能性について検討することは有用である。本研究では、日本からカナダに移住し永住権を取得した 11人の日本人女性(30代~50代)に半構造化面接を行い、移住や永住権取得の過程、移住後に受けた支援、 政府の移民向け語学プログラムの受講、地域やコミュニティへの態度について尋ねた。その結果、段階的な 移住をとった場合、初回滞在の際に築いた社会的ネットワークがその後の生活の支援源として機能していた。 カナダ人との結婚で非段階的に移住した場合、カナダ人夫のサポートは日本人の妻の適応には十分ではなく、 自身の社会的ネットワークの不足が感じられやすかった。移民向け語学プログラムはあまり利用されていな かったが、英語プログラムを利用した1名はそれを非常に高く評価していた。また、面接協力者のほとんど が、自分たちの居住区域には日本のような活発なコミュニティはないと回答しており、行政からの情報はメー ル、ちらし、マンションの掲示などで受け取っていた。面接結果をふまえ、日本での在留外国人支援への適 用として、孤立しがちな人へのアプローチの必要性やその形、居住地域にしばられないゆるやかなつながり の場の提供などについて論考された。

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