小児ECMO中のヘパリンコントロールに対しTEG<sup>®</sup> 6sが有用であった1症例

  • 小笠原 裕樹
    北海道立子ども総合医療・療育センター臨床工学科 北海道立子ども総合医療・療育センター小児集中治療科
  • 酒井 渉
    北海道立子ども総合医療・療育センター小児集中治療科 札幌医科大学麻酔科学講座
  • 茶木 友浩
    札幌医科大学麻酔科学講座
  • 萬徳 円
    北海道立子ども総合医療・療育センター臨床工学科 北海道立子ども総合医療・療育センター小児集中治療科
  • 赤井 寿徳
    北海道立子ども総合医療・療育センター臨床工学科 北海道立子ども総合医療・療育センター小児集中治療科
  • 名和 智裕
    北海道立子ども総合医療・療育センター小児循環器科
  • 市坂 有基
    北海道立子ども総合医療・療育センター小児集中治療科
  • 浅井 英嗣
    北海道立子ども総合医療・療育センター小児心臓血管外科
  • 夷岡 徳彦
    北海道立子ども総合医療・療育センター小児心臓血管外科
  • 大場 淳一
    北海道立子ども総合医療・療育センター小児集中治療科 北海道立子ども総合医療・療育センター小児心臓血管外科
  • 山蔭 道明
    札幌医科大学麻酔科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • TEG<sup>®</sup> 6s Could Be Useful for Heparin Control in Pediatric Extracorporeal Membrane Oxygenation: A Case Report

抄録

<p>小児領域におけるV-A体外式膜型人工肺 (veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation: V-A ECMO) では,一般的に活性化凝固時間(activated clotting time: ACT)を指標とし180から200秒に維持するようヘパリン投与量を決定している.しかし臨床的にはACTをもとにしたヘパリンコントロールは困難であり,脳出血など致命的な出血性合併症を起こしうる.成人ECMO中のヘパリンコントロールに関しては,血液粘弾性検査装置:TEG® 6sが有用と報告があるが,小児に関する知見はない.今回,TEG® 6sを使用して小児ECMO中のヘパリンコントロールを行った報告をする.症例は大動脈弁上狭窄症,冠動脈狭窄症術前の6カ月の女児で,体重は6.6 kgだった.心不全コントロールが困難であったためV-A ECMOを導入した.V-A ECMO施行中,ACTは130~150秒と低値を示しヘパリンの増量を要求した.一方でTEG® 6sはCK R–CKH R値が測定上限を超え,ヘパリン残存量過多を示し減量を要求した.TEG® 6sの値をもとにヘパリン量を減量したが,出血・血栓性合併症を認めることなく計10日間のV-A ECMOが可能であった.TEG® 6sを用いて小児ECMO下の良好なヘパリンコントロールを得ることができたと考えられた.</p>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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