低浸透圧ストレスが胃癌培養細胞株の悪性度に与える影響の検討

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タイトル別名
  • Malignant phenotypic changes in gastric cancer cells that survived hypoosmotic stress

抄録

<p>胃癌腹膜転移再発の予後は悪く,原因として腹腔内や管腔内に遊離した癌細胞の存在が指摘されている。その予防法として低張液を用いた腹腔や管腔内の洗浄が有望であるという報告は多い。しかし洗浄後に生存した癌細胞が悪性度の高い形質に変化することが懸念されるため,胃癌細胞株MKN7(高分化),MKN74(中分化)を蒸留水に10 分間,MKN45(低分化)を5分間暴露させ生き残った細胞株を再培養し,増殖能,浸潤能,薬剤感受性について検討した。MKN7,MKN45は増殖能に有意差はなかったが,MKN74 は48時間で有意に増加し,72 時間で有意差はなくなった。浸潤能は,MKN74,MKN45で有意な低下があり,MKN7では上昇する可能性が示唆された。薬剤感受性に有意差はなかった。今回,蒸留水暴露により,高・中分化腺癌であるMKN7,MKN74では,悪性度が高くなる可能性がみられるものもあったが,低分化腺癌であるMKN45では,増殖能,浸潤能,薬剤感受性に変化を来さなかったことは朗報であったと考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860642191661568
  • DOI
    10.11434/kyorinmed.54.121
  • ISSN
    1349886X
    03685829
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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