現職保育者の動機づけプロセスに関する包括的検討

書誌事項

タイトル別名
  • In-Service Childcare Workers’ Motivational Processes: Job Demands-Resources Model’s Job Demands
  • ―JD-Rモデルにおける仕事要求度に着目して―

抄録

<p> 本研究の目的は,現職の保育者を対象に,ワーク・エンゲイジメントの仕事要求度-資源モデル(JD-Rモデル)に基づく動機づけプロセスとコーピング仮説を検証することであった。保育者283名を対象に,質問紙調査を行った。二次因子分析により仕事資源と個人資源の構造を特定した後,構造方程式モデリングを行った。その結果,仕事資源と個人資源は,ワーク・エンゲイジメントを介して情緒的コミットメントを高める動機づけプロセスが示された。さらに,仕事要求度の高群と低群ごとに多母集団同時分析を行った。その結果,仕事要求度に対するコーピングの効果は,想定した仕事資源および個人資源とワーク・エンゲイジメントの関連ではなく,仕事資源と情緒的コミットメントの関連において認められた。つまり,保育者のワーク・エンゲイジメントにおけるJD-Rモデルに関して,動機づけプロセスは全面的に,コーピング仮説は部分的に支持された。これらの結果を踏まえて,保育者の労働環境の構築や専門性の育成に向けた介入の方向性が議論された。</p>

収録刊行物

  • 教育心理学研究

    教育心理学研究 71 (3), 205-222, 2023-09-30

    一般社団法人 日本教育心理学会

参考文献 (17)*注記

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