高知県大豊町立川川流域の大規模崩壊発生の周期性

書誌事項

タイトル別名
  • Recurrence intervals of deep-seated landslides in Tajikawa river basin, Otoyo, Kochi, Japan

抄録

<p> 平成30年7月豪雨により20箇所以上の斜面で大規模崩壊が発生した高知県の立川川流域で, 1966年以降の大規模崩壊の発生履歴を, 国土地理院の空中写真とGoogle earthにより調べた。すると5つの斜面において大規模崩壊が複数回発生したことが確認された。これらの斜面はいずれも稜線付近に位置する地すべり地形の, 遷急線を挟む末端部付近から下部が崩壊したものである。これらは豪雨の際に地すべり土塊が移動して, その末端が不安定になり崩壊したことが, Google earthでの検討や現地踏査により示唆された。また崩壊発生の間隔は約25~30年であった。よって本地域において, 上記のような地形特性を有する斜面では, 数十年程度の間隔で大規模崩壊が繰り返し発生する可能性が示唆され, これを砂防計画の中の長期における土砂生産・流出の発生として見込むことの必要性が検討された。ただし本地域には同様な地形特性を有する斜面は数多いが, そのうち5つしか崩壊の再現が確認されなかったことから, 土砂生産・流出のシナリオとして, 大規模崩壊の発生する間隔のみならず, 同一斜面で大規模崩壊が発生する確率も考慮されるべきである。</p>

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