【報告】英国における特殊詐欺被害者救済策の進展
-
- 中塚 富士雄
- 青森大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- New reimbursement requirements for Authorised Push Payment (APP) fraud in UK
抄録
英国政府は2024年から「送金詐欺」の被害者救済策として,被害額の返済を義務付ける新制度をスタートさせる.個人・中小事業者が騙されて犯罪者の管理口座に支払いを承認する取引(Authorised push payment:APP)が対象で,送金側・受取側の双方の口座を管理する金融サービス業者が折半で返済を行うことが検討されている.この制度は2019年から業界の自主規制ルールとして大手金融サービス業者を中心に導入してきたが,被害の深刻さに加えて,自主規制が一定の効果を上げていることから,業界全体への拡大となった.監督は独立行政機関で金融機関による決済サービスの監視・規制を行うPayment Systems Regulator(PSR)が担う.英国政府は国内での金融詐欺被害は,海外からの犯行が目立つこと,サイバーセキュリティをはじめとして,技術的な対策では通信・情報サービス企業の協力が必須などの理由から,2023年6月に詐欺対策を国家政策として,Policy Paper "Fraud Strategy:stopping scams and protecting the public (accessible)"を公表した.本制度の施行は,その柱の一つである.
収録刊行物
-
- 青森大学付属総合研究所紀要
-
青森大学付属総合研究所紀要 25 (1), 23-29, 2023-09-30
青森大学付属総合研究所
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390860764355028608
-
- ISSN
- 21888531
- 24361585
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可