非鎮静下の下部消化管内視鏡検査を契機に CO2ナルコーシスとなり, 筋萎縮性側索硬化症と診断された 1 例

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  • A case of Amyotrophic lateral sclerosis presenting CO2 narcosis during a colonoscopy without sedation

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抄録

一般外来を受診する患者の主訴として,全身倦怠感,体重減少は頻度が多く,その鑑別診断は多岐にわたる。筋萎縮性側索硬化症は,運動ニューロンの変性により進行性の麻痺をきたし,診断から約3~5 年の経過で死に至ることが多い予後不良の疾患である。今回,全身倦怠感,体重減少の精査目的に施行された非鎮静下の下部消化管内視鏡検査中にCO2ナルコーシスとなり,筋萎縮性側索硬化症と診断された 80 歳代男性の 1 例を経験した。未診断の ALS の中には,全身倦怠感,体重減少などの非特異的症状を主訴として外来を受診する例がある。また ALS では,四肢の筋力は比較的保たれているが,呼吸筋麻痺による換気不全から急激にⅡ型呼吸不全に至る例がある。全身倦怠感,体重減少を訴える症例では,ALS を鑑別に挙げ,経過中に急激な呼吸不全を起こす可能性に注意する必要がある。

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