アメリカ通信品位法第230条と新たなメディア・ICTサービス

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タイトル別名
  • Section 230 of the U.S. Communications Decency Act of 1996 and New Media, New ICT Services.

抄録

本論文は、アメリカ合衆国の1996年通信品位法(Communications Decency Act of 1996, CDA)第230条を中心に、インターネット上の名誉毀損等に関するプロバイダ等の不法行為責任のあり方について、検討したものである。  まず本論文では、新聞・放送等の伝統的メディアに関して構築されてきたコモンロー上の法理(第2次不法行為法リステイトメント等)について概観したのち、この法理によってはネット上の問題に対応できないことを明らかにしたうえで、コモンローに代えて制定法による対応、すなわちCDAの制定・運用の過程について分析を行った。そこでは、この分野における先導的な裁判例であるZeran判決を中心に検討を行った。  そのうえでSNSといった新たなメディア・ICTサービスの普及によって、CDAが制定された1996年当時とは異なったメディア環境にどのように対応すべきかが近時問題となっている。本論文では特に、この問題に対応するために合衆国控訴裁判例で構築された実質貢献テストについて検討・分析を行った。  これらをふまえて、CDAの運用においてメディア・ICTサービスにおける編集機能が最も重要な基本原理であることを明らかにし、わが国における同種の問題についての示唆を提示した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860841881634304
  • DOI
    10.60209/issmeiji.62.1_49
  • ISSN
    27587649
    03895971
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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