公開データからの臨床検査技師業務の需給予測

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タイトル別名
  • Forecasting supply and demand for medical technologists from open data
  • コウカイ データ カラ ノ リンショウ ケンサ ギシ ギョウム ノ ジュキュウ ヨソク

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抄録

<p>我が国の総人口は減少に転じており,2007年に超高齢社会を迎えた。近年では情報技術や人工知能が大きく進歩し,新型コロナの流行も相まって予測不能な時代にいる。2024年度から医師の働き方改革が始まり,我々をとり巻く環境は絶えず,大きく変化している。この激動の中,臨床検査技師という仕事の需要と供給を把握しておくことは将来を見据える上で重要である。需要は2019年10月の推計人口を基準に,NDBオープンデータを用いて,性・年齢階級別一人当たりの実施件数に,将来推計人口を乗じることで将来臨床検査件数を求めた。その他,患者調査の受療率等も参照した。供給は,医療施設調査および病床機能報告による臨床検査技師の医療施設での従事者数および国家試験合格状況を参照した。将来臨床検査件数は,2030年頃をピークにそれ以降は減少に転じ,2045年頃以降は総件数自体が2019年よりも減少することが示された。供給は,臨床検査技師が勤務する病院自体が減少しており,直近の医療施設調査においても勤務する臨床検査技師数の増加は低調であった。また養成校の増加に伴い,2011年頃を境に受験者も合格者ともに増加していた。これらから,今後,需要と供給が見合わない状況に突入する可能性が高いことが示唆され,専門性および強みを発揮しつつも,タスクシフト/シェア業務への積極的な参画,この時代に切望される人材への転身など,活躍の場を積極的,能動的に広げていく必要があると思われた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 72 (4), 522-531, 2023-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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