インターロイキン6の早期炎症マーカーとしての臨床的有用性の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical utility of interleukin-6 as a marker of early inflammation
  • インターロイキン 6 ノ ソウキ エンショウ マーカー ト シテ ノ リンショウテキ ユウヨウセイ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

<p>当院ICU入室患者を対象に,IL-6と他のバイオマーカーの推移を比較し,IL-6の炎症早期マーカーとしての有用性を検討した。ICU入室日から5日間の各マーカーの変動を評価したところ,IL-6はPCT,CRP,SAAに比べICU入室後早期に出現し,その後漸減する傾向を示すことが確認された。この傾向は手術の緊急性や感染の有無に関わらないことから,IL-6は炎症早期マーカーとして有用であることが示唆された。また,ICU入室時のIL-6値がICU在室日数の指標になるか検討したところ,ICUに4日以上在室した群は3日以内に退室した群よりも入室時のIL-6(p < 0.05),PCT(p < 0.01)の値が有意に高値であり,ICU入室時の値が在室日数の予測に寄与する可能性が示めされた。本研究により侵襲の程度や感染の有無がIL-6の推移に変動を与える可能性も示唆され,他の所見の総合的な判断を踏まえたIL-6値の評価が,治療方針の早期の決定に寄与することが期待される。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 72 (4), 506-512, 2023-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ