腎機能障害のため造影CT検査施行の判断が難しかった上腸間膜動脈解離の一例

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  • A case of dissection of superior mesenteric artery with contrast-enhanced computed tomography(CT)imaging difficult to determine due to renal dysfunction

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抄録

症例は40代男性. 仕事中に突然の激烈な腰背部痛が出現し, 二次救急病院である当院へ救急搬送となった. 来院時は, 意識レベルは清明であったが, 血圧は181/120mmHgで冷汗を伴う状態であった. 詳細は不明であるが腎機能障害を指摘されているとの報告があり, 生理食塩水で静脈路確保を行い採血にて腎機能評価を行いながら診療を行った. 胸部X線写真, 心電図, 腹部超音波検査で異常所見を認めなかったが, ソセゴン (ペンタゾシン) 15mg投与でも症状軽減を認めなかった. 大動脈解離などの血管病変を疑ったが, 造影剤腎症の発症を懸念し造影CT検査施行の判断に難渋した. 正確な診断が必要であること, 緊急度が高いと判断したことから腎機能評価前であったが, 本人に造影剤腎症に関する説明を行い, 造影CT検査を施行し, 上腸間膜動脈解離の診断に至った. その後は, 入院にて降圧療法を行い, 結果的に造影剤腎症は発症しなかった.

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