海外にルーツを持つ子供のアイデンティティ形成―在日ウクライナ人の子供の事例から―

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  • Identity Formation of Ethnic Minority Children in Japan: A Case Study of Ukrainian Children Raised in Japan

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抄録

<p>本論文は,日本で育ったウクライナにルーツを持つ子供たちの言語と文化的アイデンティティの関連性を分析するケーススタディの結果を紹介する.本研究では,ウクライナ人の若者(男性2人,女性2人)が言語的・文化的背景の異なる日本で多言語使用を通じ,日本の文化・社会をどのように受け入れているか,また母語・母国文化を維持する上でどのような問題に直面するか,さらにこの問題が彼らの文化的アイデンティティ形成にどのような影響を及ぼすのかを考察する.本研究は,調査協力者の文化的アイデンティティと言語使用,そして力関係に着目し,特に日本の学校においてはそれらの間に密接な関係がみられることを示す.また,少数派であるウクライナ人の子供たちが日本社会の一員となる上で,多数派である日本語の知識が彼らにどのように権限を与えているかを明らかにする.さらに,日本に移住した後に家庭内での使用言語を切り替えたウクライナ人の子供たちの経験を詳述する中で,家庭の言語使用を通して民族的アイデンティティがどのように構築されるかを論じる.</p>

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