CAD/CAMシステムを用いたデジタルデンティストリー教育の効果と今後の課題

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タイトル別名
  • Effectiveness of Digital Dentistry Education Using CAD/CAM Systems and Future Issues

抄録

<p> 目的:昭和大学歯学部第3,4学年に実施している保存修復学基礎実習において「口腔内スキャナーを用いたCAD/CAMインレー修復実習」を受講した学生に対し,アンケート調査を実施し,本実習の教育効果と今後の課題を検討した.</p><p> 材料と方法:2019年度から2022年度の歯学部第3,4学年において,実習を受講した学生を対象としたアンケート調査を収集し評価した.</p><p> アンケートは選択式と自由記述式で行った.以下にアンケートの質問内容を記す.1.デジタルデンティストリーに対する関心がありますか,2.本実習の学習効果について,3.口腔内スキャナーを用いたCAD/CAMインレー修復について理解が深まりましたか,4.本実習の内容の難易度について,5.最も興味深かったステップはどれですか,6.最も難しかったステップはどれですか,7.印象材を用いる従来の印象採得と比較して,口腔内スキャナーを用いる印象採得をどのように評価しますか,8.将来,歯科医師としてCAD/CAMシステムを用いた診療を実践したいですか,9.今後もCAD/CAMシステムを用いた実習を受講したいですか,10.本実習について意見・感想を自由に記入してください.</p><p> 結果:アンケート調査の結果は以下のとおりであった.</p><p> 1.約6割の学生が「非常に関心がある」「関心がある」と回答した.2.「十分ある」「多少ある」と回答した学生が2019年度と2020年度は約5割を下回り,2021年度と2022年度は約9割であった.3.「かなり深まった」「深まった」と回答した学生が2020年度は約7割で,それ以外の年度は9割を超えた.4.「非常に難しい」「難しい」と回答した学生が2019年度と2020年度は4割以下で2021年度と2022年度は約8割前後であった.5.年度によってばらつきがあった.6.すべての年度で窩洞形成が最も難しいという結果であった.7.5割以上の学生が「非常に簡単」「簡単」と回答した.8.8割以上の学生が「ぜひ行いたい」「多少行いたい」と回答した.9.8割以上の学生が「十分思う」「多少思う」と回答した.</p><p> 結論:口腔内スキャナーを用いたCAD/CAMインレー修復実習において,アンケート調査を実施した結果,2022年度では約9割の学生が本実習は教育効果があると回答した.一方,デジタル機器の不足やインストラクターの質と数など課題も明らかとなった.しかし,学生は将来歯科医師としてCAD/CAMシステムを用いた診療を実践したいと期待し,さらなる学びを希望していることも示唆された.</p>

収録刊行物

  • 日本歯科保存学雑誌

    日本歯科保存学雑誌 66 (5), 271-282, 2023-10-31

    特定非営利活動法人 日本歯科保存学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390860940787790464
  • DOI
    10.11471/shikahozon.66.271
  • ISSN
    21880808
    03872343
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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