持続濾過透析(continuous hemodiafiltration;CHDF)が有効であったピルジカイニド中毒の1例―自験例および本邦報告例の検討―

  • 益満 茜
    国立病院機構京都医療センター救命救急科 滋賀医科大学社会医学講座法医学部門
  • 川崎 貞男
    国立病院機構南和歌山医療センター救命救急科
  • 一杉 正仁
    滋賀医科大学社会医学講座法医学部門

書誌事項

タイトル別名
  • A case of pilsicainide poisoning in which continuous hemodiafiltration (CHDF) was effective : A case report and review of the literatures
  • ジゾク ロカ トウセキ(continuous hemodiafiltration ; CHDF)ガ ユウコウ デ アッタ ピルジカイニド チュウドク ノ 1レイ : ジケンレイ オヨビ ホンポウ ホウコクレイ ノ ケントウ

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抄録

<p>ショック状態のピルジカイニド中毒症例に対して血液浄化法を行い,速やかに循環動態が改善した1例を経験した。ピルジカイニド20カプセルを内服した40代男性がショック状態で搬送された。心電図はwide QRSの徐脈であったが,血液浄化法開始後速やかにQRS幅が狭くなり徐脈も改善し,循環動態は安定した。ピルジカイニドは腎排泄で,腎障害があると著明に半減期が延長する。ピルジカイニド中毒に対する特異的な治療法はなく,血液浄化法については症例報告が散見されるのみである。本邦における過去の報告によると,循環動態が不安定で血清Cr値が高値であったピルジカイニド中毒に対しては血液浄化法が施行されていた。ピルジカイニドは透析効率が悪いとされているが,血液浄化法によって短時間で循環の安定化を認めていた。自験例を含めた検討で,腎障害症例やショックを伴ったピルジカイニド中毒では血液浄化法が効果的と思われた。</p>

収録刊行物

  • 中毒研究

    中毒研究 36 (3), 257-263, 2023-09-10

    一般社団法人 日本中毒学会

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