肩甲下筋腱断裂に対する小胸筋移行術後のMRIの検討
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抄録
一次修復困難な肩甲下筋腱断裂に対して可及的な肩甲下筋腱と前方関節包の修復に追加して小胸筋移行術を行った症例において,術後MRIで小胸筋の生着率と,小胸筋の最大前後径の術後変化を調査した.対象は17例(男性11例,女性6例),17肩であり,手術時年齢は平均68歳,経過観察期間は平均2.3年,Lafosse分類はType 3が12肩,Type 4が5肩であった.MRI評価は上腕骨内側の解剖頚レベルでのT2強調画像axial像で行った.全体では小胸筋生着率は88%であったが,Type 3では100%,type 4では60%であった.小胸筋が生着した15肩の筋の前後径は,術前は8.5 ± 1.7(SD)mm,術後3か月時では7.1 ± 2.3(SD)mm,最終調査時では6.1 ± 2.6(SD)mmと減少を認めた.小胸筋移行術の問題点として小胸筋の筋量が少ないことが挙げられ,小胸筋が特にtype 4におけるforce couplesを再獲得する力源として適切かどうか更なる検討が必要と考える.
収録刊行物
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- 肩関節
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肩関節 47 (2), 336-338, 2023
日本肩関節学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861074218729216
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- ISSN
- 18816363
- 09104461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可