感染を疑った胸腺囊胞に対し剣状突起下および両側胸腔アプローチロボット支援下手術が有用であった1例

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  • A case of robot-assisted surgery for a thymic cyst with suspected infection using a subxiphoid and bilateral thoracic approach

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抄録

<p>症例は68歳,女性.3年前乳癌のため当院紹介,術前MRIで前縦隔囊胞を認め胸腺囊胞疑いとなった.経過観察中,CTで囊胞の増大,壁肥厚,周囲脂肪織濃度上昇を認め囊胞内感染を疑い手術方針とした.囊胞により左腕頭静脈は広範囲に圧排されており,同部位に多方向からの操作を行えるよう術式を検討した.剣状突起下および両側胸腔アプローチのロボット支援下手術を行い,囊胞を左腕頭静脈から剥離,内容物が流出することなく切除し得た.病理検査では胸腺囊胞の診断となり,囊胞壁に炎症と線維化を認めた.術後経過は良好であり,術後6ヵ月の時点で再燃は認めない.</p><p>縦隔囊胞に炎症を来した場合は,縦隔炎を回避し周囲重要構造物を温存することが重要である.本例は感染を疑った胸腺囊胞に対し,剣状突起下および両側胸腔アプローチロボット支援下手術により安全に手術を施行し得た.</p>

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参考文献 (16)*注記

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