成人における生活習慣病のリスクを高める飲酒量と機能的・伝達的・批判的ヘルスリテラシー

  • 大内 実結
    前お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
  • 赤松 利恵
    お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系
  • 新保 みさ
    長野県立大学健康発達学部食健康学科
  • 小島 唯
    新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科

書誌事項

タイトル別名
  • Association of High-risk Alcohol Consumption for Lifestyle Diseases and Functional, Communicative, and Critical Health Literacy
  • セイジン ニ オケル セイカツ シュウカンビョウ ノ リスク オ タカメル インシュリョウ ト キノウテキ ・ デンタツテキ ・ ヒハンテキ ヘルスリテラシー

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抄録

<p>【目的】飲酒に関する教育の一助となることを目指し,飲酒状況と機能的,伝達的,批判的の3つのヘルスリテラシー(以下,HL)との関連を示すことを目的とした。</p><p>【方法】2020年11月実施のインターネット調査のデータを用い,20~64歳の男性3,010人,女性2,932人を対象とした。HLは,機能的,伝達的,批判的の3つのレベルごとに用いた。飲酒状況は,「非飲酒・生活習慣病のリスクを高める飲酒量(以下,高リスク量)未満」「高リスク量」に分類した。HL得点は,男女それぞれの中央値で高群と低群に分類した。HLを独立変数,飲酒状況を従属変数として,ロジスティック回帰分析により各HL高群における「高リスク量」のオッズ比を男女別に算出した。</p><p>【結果】属性を調整した結果,女性では飲酒状況とレベルごとのHLに関連はみられなかったものの,HL総得点高群に高リスク量の者が少なかった (オッズ比 [95%信頼区間]:0.69 [0.54~0.88])。男性において,属性を調整しない結果では,高リスク量の者が機能的HL高群に少なく,批判的HL高群に多かったが,属性の調整により飲酒状況と各HLに関連はみられなくなった。</p><p>【結論】本研究では飲酒状況とレベルごとのHLの関連を検討したが,有意な関連はみられなかった。女性では,生活習慣病のリスクを高める飲酒量の防止に向け,総合的なHLを高める重要性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 81 (5), 202-209, 2023-10-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (25)*注記

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