精神的ストレスを契機に発症した小児聴覚情報処理障害に小建中湯が奏効した1例

  • 平澤 一浩
    東京医科大学茨城医療センター耳鼻咽喉科 東京医科大学病院漢方医学センター
  • 塚原 清彰
    東京医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Pediatric Auditory Processing Disorder Caused by Psychological Stress Successfully Treated with Shokenchuto
  • セイシンテキ ストレス オ ケイキ ニ ハッショウ シタ ショウニ チョウカク ジョウホウ ショリ ショウガイ ニ ショウケンチュウ ユ ガ ソウコウ シタ 1レイ

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抄録

<p>聴覚情報処理障害は,聴力の低下はみられないが,雑音下など聴取しにくい環境の中で聞き取り困難を訴える障害である。発達障害,認知機能の弱さ,心理的な問題を抱えている児が多くを占める。今回,精神的ストレスを契機に発症したと思われる小児の聴覚情報処理障害例で,小建中湯を用い良好な経過をたどった一例を経験した。</p><p>症例は12歳女児。2年前からいじめの被害を受けるようになり,そのころからざわついた環境で言葉が聞き取りにくいと感じるようになった。当科を受診し,各種聴覚検査に異常を認めず,聴覚情報処理障害と診断した。小建中湯を投与し,12週後,聞き取りに不自由を感じることはほとんどなくなった。また,いつもの元気を取り戻しつつあり,いじめに対してもあまり気にせず受け流せるようになった。16週後,症状は落ち着いており,小建中湯5.0 g/日に減量。20週後に廃薬とした。</p>

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