浸潤型副鼻腔真菌症に脳膿瘍と真菌性動脈瘤破裂を併発した高齢者の1剖検例

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タイトル別名
  • An autopsy case of an elderly patient suffering from brain abscess and ruptured mycotic aneurysm associated with invasive fungal sinusitis

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抄録

<p>浸潤型副鼻腔アスペルギルス症に,脳膿瘍と短期間に増大と破裂を繰り返す真菌性動脈瘤を併発した高齢者の1例を報告する.症例は83歳女性.突然の意識障害にて当院に緊急搬送となり,頭部CTとMRIにて蝶形骨洞内の膿瘍が骨破壊を伴い頭蓋内に浸潤し,脳室への穿破を伴う脳膿瘍を形成する所見を認めた.入院後,意識状態の悪化を認め,SAHの所見と膿瘍近傍に内頚動脈瘤の出現を認めた.水頭症に対して脳室ドレナージ術を行い,髄液培養でアスペルギルスが同定されたため,真菌性の脳膿瘍による動脈瘤と判断し,ボリコナゾールの投与を開始した.いったん神経所見は改善したが,再度,SAHと,内頚動脈瘤の増大を認めた.抗真菌薬の加療を継続したが,心不全,腎不全の悪化あり,死亡に至った.剖検を行い,蝶形骨洞の膿瘍から脳実質内,内頚動脈瘤壁までアスペルギルス菌糸を認め,一連の疾患はアスペルギルス感染によるものと明示された.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 45 (6), 499-504, 2023

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (16)*注記

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