芥川龍之介の「創作」
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- 五島 慶一
- 熊本県立大学
書誌事項
- タイトル別名
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- On “Sosaku” [“The Creation”] by Akutagawa Ryunosuke
抄録
<p>芥川龍之介が第四次『新思潮』第七号に掲載した「創作」は、生前単行本未収録ということもあって従来単独論及は皆無である。しかしそこには同時期に「芋粥」を『新小説』に発表してメジャーデビューを果たした芥川による、文壇動向把握と自身の創作手法提示が明に暗に窺われる。即ち、「モデル問題」という語を提示して自然主義を、更に「トルストイヤン」ら人道主義者をも揶揄して「僕」が示す独特な「創作」の態度は、偏に末尾で『ジャン・クリストフ』を引用しつつ示される「ものの観方」の独自性に強く依拠するというものであった。そのテーマを中心とする同作の意義を、芥川の初期創作及び作家地位確立後に同時期を回想した文章を参照しつつ位置づける。</p>
収録刊行物
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- 日本近代文学
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日本近代文学 107 (0), 1-16, 2022-11-15
日本近代文学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861305854605056
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- ISSN
- 24241482
- 05493749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可