高度な貧血とるい痩を伴った巨大な石灰化上皮腫の1例

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  • Giant pilomatricoma accompanied by severe anemia and emaciation

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抄録

<p>30歳,女性。前胸部痛で他院を受診し,貧血と約3年前からある背部腫瘤を指摘され当院受診。Hb 2.7 g/dL,TP 5.2 g/dL,Alb 1.0 g/dL,身長157 cm,体重36.3 kg,BMI 14.7。右上背部に小児頭大の淡紅色懸垂性腫瘤を認め,一部潰瘍を伴い石灰化様病変が露出していた。生検にて石灰化上皮腫を疑い,手術に備え輸血しHb 8g/dL台まで回復したが,貧血の改善に伴い腫瘤の増大と,潰瘍部から出血が目立つようになり栄養動脈のTAEを施行した。TAE後は出血や増大傾向なく,全身麻酔下に基部で切除した。大きさや臨床像からpilomatrix carcinomaも鑑別にあがったが,全摘標本でも石灰化上皮腫であった。切除後に貧血もるい痩も顕著に改善し,良性にも関わらず巨大なため全身状態に大きな影響を及ぼしていたと考えた。</p>

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