高解像度耳石δ<sup>18</sup>O分析による日本海マイワシの資源再生産構造の再検討 ―回遊生態の全貌解明に向けて―

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タイトル別名
  • Reassessing the reproductive stock structure of the Japanese common sardine (Sardinops melanostictus

抄録

<p>回遊魚は成長・発育に伴い索餌回遊をした後に産卵海域に戻って世代交代を繰り返すという資源再生産システムの中で個体群を維持していると考えられているものの、明確な検証例は少ない。本研究では、回遊魚である日本海マイワシ(対馬暖流系群)の0歳魚と1歳魚(親魚)の耳石d18O履歴(=経験水温履歴)の比較から、資源再生産構造についての検証を行った。結果、0歳魚のd18O履歴は成長に伴う経験水温上昇という一様な特徴を示すの対し、1歳魚のd18O履歴は0歳魚とは明確に異なる傾向を示した。そこで先行研究で解析済の2015年〜2020年に漁獲された個体の耳石d18O履歴を統合して解析を行ったところ、1歳魚は0歳魚に比べて多様なd18O履歴を示すことがわかった。このことから1歳魚は複数の回遊履歴を持つ個体が混在しており、対馬暖流系群は複雑な個体群構造の中で資源を維持していることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861305859535872
  • DOI
    10.14862/geochemproc.70.0_231
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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