入院中の病児をもつ家族を対象とする家族機能尺度の開発と信頼性・妥当性の検討

  • 平谷 優子
    大阪公立大学大学院看護学研究科子ども・家族ケア科学分野
  • 西元 康世
    四天王寺大学看護学部
  • 法橋 尚宏
    神戸大学大学院保健学研究科家族看護学分野(家族支援CNS コース)

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Family Functioning Scale for Families with a Hospitalized Child and Evaluation of Its Reliability and Validity
  • ニュウイン チュウ ノ ビョウジ オ モツ カゾク オ タイショウ ト スル カゾク キノウ シャクド ノ カイハツ ト シンライセイ ・ ダトウセイ ノ ケントウ

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抄録

<p>入院中の病児をもつ家族と地域で生活する子どもをもつ家族では家族機能が異なることが明らかにされているが,入院中の病児をもつ家族を対象とする家族機能尺度は見当たらない.本研究の目的は,入院中の病児をもつ家族を対象とする家族機能尺度(FFHC)を開発し,その信頼性と妥当性を検証することである.</p><p>入院中の病児をもつ家族の家族機能研究と文献検討の結果をアイテムプールとして項目精選を行い,FFHCを作成した.これは,19項目で構成される自記式質問紙である.表面的妥当性は研究者3名で確認した.1箇所の小児病棟でプレテストを実施し,尺度を修正した後,入院中の満12歳までの病児の母親を対象に信頼性と妥当性を確認するためのインターネットモニター調査を実施した.</p><p>その結果,上位-下位分析では全項目において上位群と下位群の得点に有意差が認められた.FFHCと既存の家族機能尺度(Feetham家族機能調査日本語版Ⅰ)との相関は認められなかった.構成概念妥当性を確認するために行った探索的因子分析の結果,2因子構造であることが確認できた.Cronbachのα係数は0.96であり,内部整合信頼性は高かった.FFHCの1回目の回答から2週間程度の間隔をおいた回答におけるSpearmanの順位相関係数は0.42であり,中程度の相関が認められた.</p><p>FFHCを活用することで,家族の家族機能レベルを評価することが可能となる.FFHCが研究や家族支援に寄与することを期待したい.</p>

収録刊行物

  • 家族看護学研究

    家族看護学研究 28 (2), 65-76, 2023-03-31

    一般社団法人 日本家族看護学会

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