クラシックバレエとモダンダンスに熟練したダンサーの下肢および体幹の関節可動域の特異性

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抄録

<p>ダンスには、クラシックバレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンス、民族ダンス、ヒップホップダンス、ジャズダンスなど様々なジャンルがあり、それぞれのジャンルごとに特徴的な身体表現を実現するため、ダンサーにはその為の運動能力が要求される。特に、関節の可動性はダンサーの運動能力を示す重要な要素の1つであり、ダンスの美的な表現に必要不可欠といえる。一方で、過剰な関節の可動性は障害を引き起こす可能性もあるとの指摘もされている。しかし、過去の研究においてダンサーの関節可動域を定量化している研究は乏しく、また、ジャンルごとの特異性について検討している研究は見当たらない。下肢および体幹の関節可動域の特異性を明らかにすることは、ダンサーのトレーニングやコンディショニングを考える上で有益な基礎資料となる。そこで、本研究の目的は古くからテクニックが確立されているダンスジャンルといえるクラシックバレエとモダンダンス熟練者を対象に体幹及び下肢の関節可動域を測定し、可動域の差異やジャンルによる特異性を明らかにすることである。対象者はクラシックバレエ(CB)、モダンダンス(MD)を専門とするダンサー(ダンス歴7~28年)とダンス未経験者それぞれ15~20名であった。測定項目は、身長、体重、関節可動域で、関節可動域測定にはゴニオメーターとメジャーを使用した。測定対象とした関節は、左右股関節(内転・外転、屈曲・伸展、外旋・内旋,外旋を伴う外転)、左右足関節(底屈・背屈)、脊椎(屈曲・伸展、左右側屈、左右回旋)、胸椎(前弯・後湾、左右移動)であった。体重、BMI、足関節背屈、脊椎回旋はMD群がCB群より有意に高値を示し、股関節伸展と股関節外旋はCB群がMD群より有意に高値を示した。両群間にみられた脊椎と股関節、足関節の可動性の差は、CBとMDにおける身体の使い方の違いを反映しているのではないかと考えられる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861305860102400
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_420
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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