コーチング学の教育の質保証に関する一考察

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  • 心理学・教育学との比較から

抄録

<p>日本学術会議は、平成20年に文科省から大学教育の分野別質保証のあり方について審議する依頼を受け、分野別(学問分野別)の参照基準が作られるに至った。体育・スポーツ学領域については、「全国体育系大学学長・学部長会」の「教育の質保証委員会」が中心となって『体育・スポーツ学分野における教育の質保証に関する参照基準』(2011)がまとめられたが、ヨーロッパにおけるそれが示しているようにコーチング学は「体育・スポーツ学分野」における中核的学問領域として位置づけられているにもかかわらず「コーチング学の参照基準」については検討されていない。したがって、「コーチング学における教育の質保証」を「参照基準」の観点から検討することは極めて重要と言えよう。我が国におけるコーチング学の「定義」は、「スポーツの練習と指導に関する理論」(日本コーチング学会、2017)とされている。さらに分野の「特性」としては、既成科学の研究成果を応用してスポーツをする人や指導者の活動をサポートする(演繹的理論構築の方法)ことに主眼を置くのではなく、スポーツの現場で獲得された個別的・経験的な知見を帰納的に集約することによって、全てのスポーツに通底する一般理論として存在しているところにある(日本コーチング学会、2017)。したがって、コーチング学の特性は、実践から帰納的に理論化された知識によって学の中核領域が形成され、バイオメカニクスやスポーツ生理学、心理学といった周辺諸科学が関連知見を提供するといった学際応用科学的構造をもっているといえよう。 </p><p> そこで本研究では、「教育の質保証における参照基準」の「分野の定義・特性」という観点から、近接領域である「教育学分野」と「心理学分野」のそれと比較し、コーチング学における教育の質保証の検討を試みる。         *本研究はJSPS科研費 JP21K11531の助成を受けたものです。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861305860124544
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_504
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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