大学生野球未熟練者における4週間のパラボリックスロートレーニングが制球力に及ぼす影響

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抄録

<p>【背景】野球において、狙った場所に速球を投げる制球力が重要である。制球力向上を目的としたトレーニングとして、パラボリックスロードリルがあり、未熟練の小学生やジュニアユースの中学生の制球能力の向上に効果的であることが報告されている。本研究では、野球未熟練者である大学生に対するパラボリックスロードリルが制球力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は、野球未経験者の男子大学生14名とし、トレーニング群(以下P群)7名、コントロール群(以下S群)7名に分類した。トレーニングでは、1日10球週3回のトレーニングを4週間実施させた。パラボリックスロードリルは距離10mとして山なりの投球を上投げで行わせた。S群は速球条件でのキャッチボールや壁当てを行わせた。トレーニングの前後(pre, post)に速球条件で制球力テストを行わせ、制球力を評価した。制球力テストにおける的中数の平均値の差について、トレーニング期間×トレーニング群の二要因分散分析を行ない、2群間の効果量としてCohen’s dを算出した。なお、有意水準は5%とした。【結果】制球力テストにおける的中数について、P群はPreが3.86±1.77球、Postが3.29±2.21球(d=0.29)であり、S群はPreが3.86±2.12球、Postが4.71±2.21球(d=0.39)であり、有意な交互作用は確認されなかった。【結論】学生野球未熟練者に対するパラボリックスロートレーニングは、速球条件での制球力を向上させなかった。すなわち、パラボリックスロードトレーニングは低速度の投球であったのに対し、制球力テストは高速度の投球であったことから、トレーニングとテストにおける投球速度の違いが得られたトレーニング効果に影響したかもしれない。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861305860152832
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_533
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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