国家政策による武術の多様性とその在り方に関する研究

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • 中国の外交政策の視点からみる武当山武術

抄録

<p>世界中の武術(ここでは「武術」は各種のマーシャルアーツを指す)の歴史とその社会的・時代的な影響は深遠であり、特に注目すべきは、1949年の建国以来、近代化と改革を追求する中華人民共和国が推進した武術の多元化の発展である。1978年、鄧小平が政権を握り、改革開放政策を主導したことで、中国の政策の方向性は大きく変わった。この政策の変更は、社会主義の下で市場経済が導入され、新たな経済体制への転換が進められた経済政策に最も顕著に現れた。しかし、この経済改革は、政治や文化などの他の政策にも大きな影響を与えた。その結果、文化の役割も大きく変わり、武術もまたその影響を受けた。武術は、単なる政治的な目的の一環から、多様性を持つ一つの文化としての位置づけへと変わった。これにより、武術の変遷、それが中央政府の政策方針と共産党のアイデンティティの展開にどのような役割を果たしたのか、そしてそれが国内外でどのように受け取られたのかを詳しく調査する必要が生じた。本研究では、道教文化と組み合わさった特有の武術である「武当山武術」を主要な研究対象として取り上げる。現在、この武術は中国政府の国策によって再構築され、その形は変化を続けている。この再構成と変化を詳細に調査することで、中国政府が公布した諸政策の真の目的と課題を明らかにする。観光や競技という側面を考慮に入れ、さらに外交の視点からも武当山武術の変化を分析することで、社会的・政治的な変動にどのように対応しつつ、武術が進化し、その過程で果たしてきた役割についての理解を深めることができる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861305860191104
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_625
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ