粘着剤の相溶性が力学特性および粘着特性に及ぼす影響

  • 中島 秀幸
    ニチバン株式会社 研究開発本部 先端応用研究所 ニチバン株式会社 研究開発本部 先端応用研究所 京都工芸繊維大学大学院バイオベースマテリアル学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of Compatibility of Pressure Sensitive Adhesives to Dynamics and Adhesion Properties

抄録

<p>スチレンイソプレンブロック共重合体( SIS) と溶解度パラメーター( δ) の異なる各種粘着付与樹脂のブレンドにおける相溶状態をAFM 観察ならびにSAXS 測定から検証し,それらが粘着剤バルクの力学特性である“粘弾性の窓”や,最終的な粘着性能に及ぼす影響を考察した。 ポリイソプレン( PI) 相に相溶する樹脂では,C5 石油樹脂よりもδ値がやや高いC5/C9 石油樹脂はSIS 間の物理架橋点として作用するポリスチレン( PS) ドメインを減少させることから系全体の凝集力が低下し,これがタックや粘着力の上昇に繋がっていることが示唆された。一方でPS 相に相溶するクマロンインデン樹脂やαメチルスチレン樹脂はPS 相に優先的に相溶し,一部はその周辺のPI 相にも僅かに局在化して存在することが示唆された。またC5 石油樹脂にクマロンインデン樹脂を配合することによってタックおよび粘着力が上昇するが,C5/C9 石油樹脂にクマロンインデン樹脂を配合すると逆に低下する。これはC5/C9 石油樹脂の添加によるSIS 間の物理架橋点として作用するPS ドメインの減少により,クマロンインデン樹脂のPS ドメインへの相溶性が相対的に低下することによって,粘着特性の低下に繋がったと考える。</p>

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参考文献 (7)*注記

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