僧帽弁置換術後周術期に発症した壊疽性膿皮症に対し大量ステロイド療法を要した1例

  • 長濱 真以子
    船橋市立医療センター心臓血管センター心臓血管外科
  • 茂木 健司
    船橋市立医療センター心臓血管センター心臓血管外科
  • 櫻井 学
    船橋市立医療センター心臓血管センター心臓血管外科
  • 山元 隆史
    船橋市立医療センター心臓血管センター心臓血管外科
  • 高原 善治
    船橋市立医療センター心臓血管センター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Postoperative Pyoderma Gangrenosum after Mitral Valve Replacement

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抄録

<p>47歳男性.重症薬疹後の発熱精査で僧帽弁閉鎖不全症を認め,薬疹発症8カ月後に僧帽弁置換術を施行した.術後5日目に胸骨正中切開創が哆開し滲出液が流出した.細菌性縦隔洞炎と診断し,胸骨開放洗浄したが,前縦隔内の感染所見は乏しく滲出液の細菌培養検査は陰性であった.一方で,正中創周囲に小膿疱を伴い皮下脂肪織は融解していた.皮膚科医により,壊疽性膿皮症が疑われ,術後8日目より大量ステロイド療法を開始した.胸骨は開放したまま局所陰圧閉鎖療法を行った.炎症反応は改善し,膿疱の再燃なく,ステロイド減量できた.皮膚の壊死組織を切除し,術後19日目に胸骨正中創は縫合閉鎖し,術後96日目に自宅退院した.壊疽性膿皮症は手術を契機として発症することもあり,周術期に大量ステロイド療法を行うか否か,迅速な判断を迫られる疾患である.外科医としては鑑別疾患の1つとして知っておくべきと考え報告する.</p>

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参考文献 (4)*注記

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