農業産地における協働と競争の仕組み

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書誌事項

タイトル別名
  • Mechanism of Collaboration and Competition in Agricultural Production Areas
  • ―The Case of the Olive Industry on Shodoshima―
  • ―小豆島のオリーブ産業の事例を中心として―

抄録

<p>本研究の目的は,農業産地内の協働の仕組みと競争の構造は環境変化において,どのように変化し,またどのような要素として産地のレジリエンスに影響しているのか明らかにすることである.研究方法は,事業システムの概念より,産地を一つの事業システムとして捉え,産地の分業と競争の構造について,集積内の組織間の関係性が大きく変化した時点をフェーズに分けて分析することである.事例対象は,小豆島のオリーブ産業に関連する組織とし,関係者へのヒアリングを中心に文献と資料調査を行った.分析の結果,次の3 点が明らかになった.第1 に,競争の構造は,他者による競争の調整から各組織が状況に応じて選択できる主体的な選択による競争の調整へと変化することで自然環境リスクへの対応としても機能することである.第2 に,長期にわたる分業による協働の仕組みは,地理的価値を創出し,自立集積型の協調関係の構築を可能とし,産地内の過剰な競争の回避として機能することである.第3 に,あらゆる変化を取り込み柔軟に変化し続け,新しい協働と競争の仕組みを生み出すプロセスは,産地に属する組織のレジリエンスを蓄積する機能を果たし,産地のレジリエンスに影響し,産地の継続への動力となるという示唆を得たことである.</p>

収録刊行物

  • 生産管理

    生産管理 28 (2), 37-44, 2021

    一般社団法人 日本生産管理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861383235363968
  • DOI
    10.14846/seisankanri.28.2_37
  • ISSN
    21866120
    1341528X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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