幼児が感じるナンセンス絵本の魅力 -長新太の『キャベツくん』と幼児の反応-

書誌事項

タイトル別名
  • Young Children's Reactions to Having Cabbage-kun, by Shinta Cho, Read to Them: The Appeal of Nonsense Picture Books for Young Children

抄録

大人が好ましいと捉える絵本と幼児が面白いと感じる絵本は必ずしも一致しない。幼児が好むと言われているナンセンス絵本『キャベツくん』を取り上げ、幼児はそのどこに反応を示し、大人はその絵本をどのように捉えているか検討するため、家庭での読み聞かせ場面の動画分析調査とアンケート調査を実施し、前者 は保護者に読み聞かせと撮影を、後者はオンラインフォーム作成ツールGoogle Forms を用い保護者に読み終えた後の幼児の反応や保護者の感想等の回答を求めた。その結果、幼児の自然な発言や笑いは「あり得ない状況や状態」という「意外性」の場面で多くみられたが、大人はナンセンス絵本に対して面白く感じる人 もいれば、「不思議」「絵が理解できない」と感じる人もいた。幼稚園等での購入絵本選定は主に保育者等大人が行っている現状がみられるが、「大人が幼児に読み聞かせたい絵本」だけでなく、幼児も絵本選びに参加して幼児が喜ぶ絵本にも目を向け、豊かな絵本環境を整えていくのが望ましいのではないかと考えられる。

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