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抄録
京都大学DRCでは,障害のある学生が主体的に学ぶための様々なリソースを提供しているが,個々のニーズに応じたリソースを得るために必要な説明を,必ずしも学生自身ができるとは限らない。自身の特性・症状,また環境的要因を加味して必要なリソース等を理解することは,修学場面のみならず社会移行・就労場面にも共通して必要である。DRCでは日々の面談やリソース提供とは別の機会として,「自己理解プログラム」(セミナー・アセスメント)を定期的に実施してきた。参加学生の感想から,セミナーは,日常の面談で扱われる具体的な内容を俯瞰・整理したり,特に社会移行・就労と関連付けて,環境理解や健康管理・生活管理にも目を向けたりする機会となっていることが分かった。また,アセスメントを利用した学生の中には,普段感じていたことが数値化・言語化されたことで自己理解が深まる実感が得られ,新たなリソースや対処方法へのアクセスにつながった例もあった。今後は,本プログラムの効果を検証しながら内容のブラッシュアップを進めるとともに,環境的要因へのアプローチの視点も含めて複合的なアプローチが必要である。
収録刊行物
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- 京都大学学生総合支援機構紀要
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京都大学学生総合支援機構紀要 2 89-96, 2023-11-15
京都大学学生総合支援機構
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861383238068608
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- NII書誌ID
- AB00002734
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- DOI
- 10.14989/286332
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- HANDLE
- 2433/286332
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可