四半期別GDP速報の季節調整における暫定的な異常値処理方法の検証

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タイトル別名
  • Verification of Provisional Outlier for Seasonal Adjustment in Quarterly Estimates of GDP

抄録

国内総生産(GDP)及びその需要項目別内訳の季節調整系列は、四半期別GDP速報(QE)公表の都度、全ての期間を対象に季節調整をかけ直すため、毎回、過去に遡って計数が改定されることとなる。こうした改定について、何らかの甚大な経済的ショックが起こった際、速報段階で異常値処理を行わないことで、過去の成長率がQE公表の度に連続的に改定されることがある一方で、暫定的な形で異常値処理を行うことで、過去の成長率の改定が抑制される可能性も示されている。そこで本論文では、(A)リーマン・ショックを契機とした世界的景気後退期及びその後の回復期(検証期間:2008年1-3月期~2009年7-9月期)、(B)甚大な経済的ショックによる影響があまりみられないと思われる期間(検証期間:2017年1-3月期~2018年7-9月期)の2つの期間を取り上げ、仮に年次推計を待たずに速報段階で暫定的な異常値設定をすることで、過去の計数の改定を抑えることができるかどうかの検証を行った。こうした検証を通じて、季節調整を通じた過去計数の過度な改定の抑制を実現し、速報値の正確性向上につながることが期待される。

収録刊行物

  • 経済分析

    経済分析 208 (0), 77-98, 2023-10-25

    内閣府経済社会総合研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861394120983168
  • DOI
    10.60294/keizaibunseki.208.0_77
  • ISSN
    27589900
    04534727
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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