新しい多変量時系列解析手法の開発とその景気循環への応用

DOI
  • 家富 洋
    立正大学、キヤノングローバル戦略研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a New Multivariate Time Series Analysis Method and Its Application to Business Cycles

抄録

筆者は、景気循環や物価変動などのマクロ経済現象を個別主体の集団運動と捉え、統計物理学の考え方や手法を援用して実証的にアプローチしている。その一環として、実際のデータ群から集団運動を検出する方法として、複素ヒルベルト主成分分析(CHPCA)法を最近開発した。CHPCA 法の計算の複雑さは、実数データに基づく従来の PCA 法と同程度であり、CHPCA 法を使って多変量間の動的相関構造を分析することは容易である。この解析手法を用いると、景気動向基礎指標間のリード・ラグ関係を機械的に抽出することができることを示す。つまり、景気動向の先行・一致・遅行指数を構築するために必要な基礎指標の選択をより客観化できる可能性がある。加えて、CHPCA法を用いて景気ウォッチャー調査データの景気本体に対する先行性について検討した結果を報告する。景気ウォッチャー調査データは先行基礎指標として非常に有望であることがわかる。

収録刊行物

  • 経済分析

    経済分析 208 (0), 165-183, 2023-10-25

    内閣府経済社会総合研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390861394121093760
  • DOI
    10.60294/keizaibunseki.208.0_165
  • ISSN
    27589900
    04534727
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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