ミトコンドリア DNA 配列を用いた親魚水槽キハダの産卵生態調査

  • Susana Cusatti
    Achotines Laboratory, Inter-American Tropical Tuna Commission, Los Santos Province, Pedasi District
  • Daniel Margulies
    Inter-American Tropical Tuna Commission
  • Vernon Scholey
    Achotines Laboratory, Inter-American Tropical Tuna Commission, Los Santos Province, Pedasi District
  • 澤田 好史
    Oshima Station, Aquaculture Research Institute, Kindai University
  • 阿川 泰夫
    Oshima Station, Aquaculture Research Institute, Kindai University

書誌事項

タイトル別名
  • Spawning ecology of captive yellowfin tuna broodstock inferred by the use of mitochondrial DNA sequencing analysis

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抄録

<p>全米熱帯マグロ委員会(IATTC)所有のアチョチネス研究所にて,陸上キハダ親魚水槽個体の遺伝学的調査を行った。産卵に参加した雌の個体数,産卵数,産卵日をミトコンドリア d-loop 領域を用いて調査した。水槽には2011-14年の調査の間,50尾の親魚が飼育されていた。全親魚と,調査に用いた555粒の受精卵の配列を比較し,産卵したのは少なくとも雌11尾であることが分かった。一晩の産卵に複数の雌が参加していたことも明らかとなった。一尾の雌については調査期間のうち,1年半にわたり,毎月産卵していた。他の個体については26ヶ月にわたり断続的に産卵していた。これらの結果は,キハダミトコンドリア d-loop 領域が個体識別に十分な多型を持っており,キハダの産卵生態を明らかにする分子生物学的ツールであること,野生個体の識別に使えること,養殖での親魚管理に有効であることを示す。</p>

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 70 (4), 331-342, 2022

    日本水産増殖学会

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