神経伝導検査と免疫固定電気泳動法からPOEMS症候群と診断し得た59歳男性例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of POEMS syndrome whose diagnostic clues were nerve conduction studies and serum immunofixation electrophoresis
抄録
<p>症例は59歳男性。4か月の経過で進行する歩行障害と両下肢遠位の異常感覚を主訴に受診した。診察上,両下肢遠位筋筋力低下,四肢腱反射減弱,両下腿以遠の全感覚鈍麻,異常感覚を認めた。血清蛋白電気泳動法ではM蛋白は検出されなかった。神経伝導検査では尺骨神経前腕部での脱髄性所見と下肢にアクセントのある神経障害を認めた。この結果から追加検査を行ったところ,血清免疫固定電気泳動法でIgA-λ型のM蛋白を認め,血清VEGFが1526 pg/mlと上昇していた。以上からPOEMS症候群と診断した。サリドマイド・デキサメタゾン療法と自家末梢血幹細胞移植を行い,下肢筋力が僅かに改善した。神経遠位部より中間部に伝導速度の低下が目立ち,下肢にアクセントのある神経障害の合併はPOEMS症候群と他の脱髄性ニューロパチーとの鑑別に有用である。POEMS症候群を疑った場合は免疫固定電気泳動法によるM蛋白測定が必要である。</p>
収録刊行物
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- 臨床神経生理学
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臨床神経生理学 51 (6), 651-657, 2023-12-01
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390861538040556032
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- ISSN
- 2188031X
- 13457101
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可