ボイラー事故による爆傷の1例

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  • A case of explosion injury due to boiler accident

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抄録

〔要旨〕症例は39歳,男性。ボイラー室兼更衣室にて更衣中にボイラーが爆発を起こして吹き飛ばされ,外壁と柱の間に挟まれている状態で発見された。顔面,両上肢にⅡ度の熱傷,気道熱傷,左下腿開放骨折,右下腿骨折を受傷し,直近病院を経て当院へドクターヘリにて緊急搬送となった。当院到着時,血圧が93/62mmHg,脈拍は120回/分,FAST陽性であった。同日緊急開腹術にて腸間膜損傷,回腸穿孔に対しダメージコントロール手術,vacuum pack closureとし,左下腿創外固定を施行後に入院となった。48時間後に消化管再建,閉腹術を施行した。その後,外科的経過は良好と思われたが腸管麻痺が遷延しを改善に3週間を要した。爆発の衝撃を全身で受けたことによる全身性の炎症が腸管麻痺を遷延させた可能性があり,爆傷による腹部外傷では,通常の急性腹症や腹部外傷症例より経腸経口栄養再開には慎重な評価が必要であると考えられた。

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